アルチンボルドって誰? 正しくはジョゼッペ・アルチンボルド、1527年に生まれた画家です。
何だこりゃ! 何ともユニークな作品です。 1590年の作品でタイトルが「庭師」。
ハプスブルク家の宮廷画家でもあったアルチンボルドは宮廷に出入する庭師の顔からイメージしたものらしいのですが、そのユニークな発想につい笑ってしまいます。
アルチンボルドはこの種の作品をたくさん残しています。
下の作品もそうしたなかの一つです。タイトルは「司書」。 おそらく宮廷につかえる法律家または文書記録係のような存在なのでしょうが「書物ばかりを見て理屈っぽく、融通のきかない堅物」といった寓意的な意味合いが多分に含まれているようです。
近代においては奇想天外な作品をよく見かけますが、その作品に芸術性を見出すことができるものは少ないように思えます。
しかし、アルチンボルドの作品からは芸術的な「奇想」が感じられるのです。その素材(野菜や魚、草木や動物)の観察力と描写の繊細さは特に際立っています。
単に奇をてらった描いた絵画ではなく非常に高い表現力に裏打ちされた底力を感じます。